2012年11月10日土曜日

拡張可能宗教

次のように定義される宗教を「拡張可能宗教」(extensible religion)と呼ぶことにする。

  • 共存教は拡張可能宗教である。
  • 拡張可能宗教を基底宗教とする宗教は拡張可能宗教である。

この定義により、共存教、木教、共存型一神教は、いずれも「拡張可能宗教」と呼ばれることができる。

2012年5月20日日曜日

多重信仰のすゝめ


宗教を信仰することは、効用よりも弊害のほうが大きい。したがって、人間は宗教を信じるべきではない。宗教を信仰している人は、その信仰を捨てるべきである。しかし、信仰を持っている多くの人にとって、それを捨てるということは容易ではない。そこで次善の策として、多重信仰、すなわち、すでに信仰を持っている宗教に加えて、少なくとも一つの別の宗教を信仰することを推奨したい。なぜなら、一つの宗教のみを信仰している場合よりも、複数の宗教を信仰している場合のほうが、その信仰によって生ずる弊害が小さいからである。

多重信仰の推奨に対しては、「複数の宗教を信仰しようとしても、それらの教義の間で矛盾が発生するので、それは不可能なのではないか」という反論が予想される。しかし、一人の人間が複数の宗教を信仰することは不可能ではない。宗教ごとに異なる超自然的な世界が存在すると考えればよいのである。

現実は一つしか存在しないが、超自然的な世界は無数に存在することが可能である。個々の宗教というのは、無数に存在するそれらの超自然的な世界のうちの一つについて、それがどのような世界であるかということを述べた教説のことである。いかなる宗教の教義も、その宗教が対象としている超自然的な世界においては真である。ある超自然的な世界において真である教義の否定であるような教義が別の超自然的な世界において真であったとしても、それは矛盾ではない。

宗教を信仰するというのは、その宗教が対象としている超自然的な世界の存在を信じるということである。そして複数の宗教を信仰するというのは、二つ以上の超自然的な世界の存在を信じるということであり、これは不可能なことではない。

2012年5月13日日曜日

民族宗教の世界宗教化


日本においては他の地域と比較して一神教の信者が極端に少ない。したがって、日本における宗教多様性を増大させる上で一神教の布教はきわめて有効である。同様に、神道、道教、ヒンドゥー教のような、民族宗教と呼ばれる宗教は、特定の地域のみに信者が集中しているので、それらを世界宗教化することは世界における宗教多様性を増大させる上で効果がある。

民族宗教を世界宗教化するためには、その教義を、特定の民族のみを対象とするものから全人類を対象とするものへ拡張する必要がある。たとえば神道は、伊弉諾尊と伊弉冉尊が日本列島を創造したという教義を持つが、他の大陸や島々がどのような神によってどのようにして創造されたのかということについての教義は持たない。したがって、神道を世界宗教化するためには、大地の創造に関する教義の拡張が必要である。幸いにして、伊弉諾尊と伊弉冉尊よりも以前に出現した神々は、『古事記』でも『日本書紀』でもほとんど名前のみしか記されていない。教義の拡張は、彼らの働きを語ることによって可能となるであろう。

2012年4月10日火曜日

橋爪不可謬説

はしづめふかびゅうせつ【橋爪不可謬説】「『ふしぎなキリスト教』の中で語られている間違った歴史的事実は、聖霊の力によって歴史が改変されたことによって、そのすべてが真実となった」というふしぎ派の教義。infallibility of Hashizume(英)。

2012年2月27日月曜日

霊的生命体

霊魂は、「非物体的かつ人間的な精神」と定義することができる。それは、物体に宿ることができると考えられている。そこで、霊魂が宿っていると考えられている物体を「霊的生命体」と呼ぶことにしよう。

人間は霊的生命体であり、そのように考えることは宗教とは言えない。それに対して、人間ではない物体を霊的生命体とみなす思想は宗教であると考えることができる。たとえば、妖怪と呼ばれるものの多くは人間ではない霊的生命体である。したがって、妖怪の存在を主張する人間は宗教を語っているのである。同様に、「水からの伝言」における水は、日本語という人間の言語を理解することのできる霊魂が宿っている物体であり、人間ではない霊的生命体である。したがって、「水からの伝言」もまた宗教である。