興味深いものを久留米で見た。
久留米城跡に鎮座する篠山神社に、小早川神社という末社がある。地面からの高さが百数十センチほどの石の祠である。祭神は毛利秀包(1567-1601)。彼は、シマオ(Simao)という洗礼名を持つキリシタンだった。
小早川神社の興味深い点は、「聖アンデレ十字」(Saint Andrew's Cross)と呼ばれるX字形の十字架がその扉に刻まれていることである。聖アンデレ十字は、禁教時代に造られたキリシタンの墓に、被葬者がキリシタンであることを隠すためにラテン十字の代わりとしてしばしば刻まれた十字架である。
小早川神社の創健者はキリシタンだったのか否か。もしもキリシタンだったとすれば神社を創建した理由が謎であり、キリシタンではなかったとすれば十字架を扉に刻んだ理由が謎である。
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